「北の国にて」4

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「お客さん、それじゃ寒すぎる」
「これでもか?」
 店員との会話である。狼人種である彼女の登場は、某スパイスアンドウルフのことを先刻考えていた俺としてはたまりませんですたい。といった状況である。ちなみにひめは数分前に試着室へ入ったきり音沙汰がない。とはいっても脚がドアの隙間から見えており、それが時折軽快なステップを踏んでみたり、ターンを決めたり寒そうに足踏みしたりという表情を見せてはいるのだが。
 なお、会話は東域語でお送りしている。モルシア人はバイリンガルが多いらしく、しばらくは困ることはなさそうだ。
「ははは、そんなの私を凍死させてくれって、冬将軍に直談判しているようなものだよ?」
「何それ怖い」
 慌てて、コートを脱ぐ。冗談じゃない。
「つーかなら、何故置く?」
 聞きつつもう少し厚手のコートに手を伸ばす。彼女を見れば、頷いていた。
「そりゃ、私達北域人は毛が濃いからね」
「毛が?」
 ちなみに、彼女は確かにもこもこと服を着こんではいるが、顔面は普通の少女である。むしろ、ロシア的というのだろうか。整った顔立ちだ。
「見るか?」
 彼女が上衣をまくりあげる。本来目をそらすべきなのだろうな、と思いつつも俺は目をそらせなかったわけで。
「ほう」
「……まさかそこまでマジマジ見るとは思わなかった、恥ずかしいっ」
「ああ勿体ない」
 なお、詳細に状況を描写すると、彼女のおなかは、へそ周りの左右十センチほどだろうか、その程度がつるんとした人の肌、その周囲は髪と同じ赤毛に覆われているという様子であった。かつてひめを見たところ、そのようなことはなく、足の甲と尻尾周りに毛が生えている程度だったのでみなその程度なのだと思い込んでいた。いや、高をくくっていたと言えるかもしれない。
 いくら生活感にあふれていても、ここは異郷も異郷の地、異世界なのだ。どんな不思議があってもおかしくはないのだ。そのうち猫が言語を扱い、ハンターをサポートし出したとしてもそれは全く自然の成り行きなのだろう。おお、怖い怖い。
「なるほど、それだけの毛があれば、多少薄手でも問題ないな」
「……毛深いとか言われると、女の子としてはショックなんだけどね」
 生ぬるい視線を浴びせながら、肩をすくめる。
「以降気を付ける」
「いやまあいいんだけれどさー、女扱いなんかされないし」
「ほう、実に興味深いな」
 彼女は少なくとも上中下でいえば上の部類には入る。しかし、そんな彼女が女扱いされない。それはつまり、何を指すか。それは。それは……!
 モルシア連邦は美少女王国だったんだよ!
 な、なんだってー!?ΩΩΩ
「くわしく……」
「待たせたのうっ!」
 勢いよく試着室の扉が開いた。

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