「北の国にて」7

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「はい、4536ルーブルだ」
 不機嫌そうに、ウレノワが片手を突き出す。さっきの行動といい、結構な不良店員だよなこいつ。
 ひめが財布の中から数枚の紙幣を取り出す。
「4550ルーブルお預かり、お釣りが……」
 言いながらカウンターの引き出しを探って小銭を探している。
「……行くぞ。ぬしよ」
「ん? ああ」
 ひめはそのまま、すたすたと歩き去ってしまう。
「そういうわけだ」
 言いながら目をやると、ウレノワが深々と頭を下げている。
「ありがとうございましたっ!」
「うん。達者でな?」
 ひらひらと手を振る。

 店の外では、ふくれつらのひめが尻尾をいじっていた。
「優しいな」
「妾とて、鬼ではない」
 多分彼女の境遇に思うところでもあるのだろう、村八分なところとかにな。まあ俺は大学八分にされてた時期があるけどね! ははっ……はは。
「ひめ、尻尾かゆいのか?」
「かゆくないぞ」
 尻尾をぱっと隠す。
「そうかー、かゆくないのかー」
「うむ。全く全然かゆみなど感じようはずもない!」
「そうかー……」
 油断して、こちらへ振られた尻尾を捕まえる。わしゃわしゃ。
「それはそれとして、まあモフるんだけどね?」
「そうなのか……」
 泥混じりの雪を、まき散らしながら進んできたトラックが、スピードを落としてすれ違う。その排気は、真っ白にもくもくと立ちのぼっていた。
 轍が、何本も深く刻まれた道路は、少々歩きづらい。
「……っと」
 ひめがよろける。軽く肩に手を回して、引き寄せた。危なっかしい。
「あ、ありがとう」
「ははは。当然のことをしたまでさ」
 一度は言ってみたかった言葉である。こうして機会に恵まれて嬉しく思う。
「雪道は滑るのう」
「あー。だよな……慣れていかなきゃいけないよな」
 足元を見ると、ところどころで氷がむき出していた。
「えっと、その」
 ひめが、腕をからませる。
「転ぶといかぬから、の?」
「だな」
 どこかの屋根から雪の塊の落ちる「どさり」という音を聞きながら、身を寄せ歩くのであった。 ↓クリックのご協力をお願いします↓
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