異世界の歩き方20

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「いくわよ。しっかり捕まっていなさい」
「おお」
 ばさ。
 羽ばたきが、振動となって伝わる。
 風が吹き、遠くの高木の天辺が大きく揺れた。
 ふわり、と彼女の身体がまず浮き上がる。
「重いわね……」
 ばさ、ばさ、ばさ、ばさ。
 ほんの少し、足が浮いた。気がした。飛んでる。
 ……あれ。
「無理だわ。ごめんなさい」
 力尽きた、といった体で彼女が翼を下ろす。
「私、ここのところ飛んでなかったから……」
「ああ……そうだ。飛べなかったんじゃ?」
 一応、聞いておく。
「嫌だったのよ。飛ぶのが当然みたいに、飛べる奴は便利だ。だから飛んで働くのが当然だ、っていわれるのが」
「……そうか」
「便利な道具みたいに」
 吐き捨てるように、どこか宙を見て。恐らく上司たちを思い浮かべているのだろう。
「だから、反発してみたつもりだったんだけれど……やっぱり、飛べないのって愉快じゃないわね」
 その横顔はとても美しいものだった。
「それで、いつまで抱きついているつもりなの?」
「え」
 我に帰る。羽がふわふわだった。
「す、すまん」
 慌てて飛びのいた。
「少し遅かったみたいよ」
 遅かった? 
 思うや否や飛びこむ声。
「な、な、何をしておるのじゃっ!」
 ああ、怒っているのだろうな。と思う。
 声のする方にうすら笑いを向けると、みさは囁くように、
「次会う時には、必ず空を散歩しましょう」
「……ああ」
「じゃ。後はまあ、頑張りなさい」
 え、と思う間もなく。
 ばさばさばさばさばさっ。
 彼女は、大空へと飛び立った。

 その後数時間に及ぶひめからの追求と叱責があったことは、言うまでもない。だろう。

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