異世界の歩き方29

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 悶々としながら夜が明けて、朝食。
「うまいのう。やはりお主は料理が上手じゃな」
「さて、それはどうかな。ふふふ」
「なぜ意味のわからぬはぐらかしを!?」
 てれ隠しだよ言わせるな恥ずかしい。
「本当ですよ、よかったらここで働きませんか?」
 と、これはさくら。
「だが断る」
 即座に応じたのはひめだった。
「なんでお前が断るんだよ。俺だろ俺」
 空気が若干変わる。ひめとさくらが、真面目な表情でこちらを見ていた。
「まあ断るんだけどな」
 当然のことを言ったまでである。
 ひめが細く息を吐く。
「ほれ見よ」
「そうですか、残念ですね……」
「悪いな、俺はひめについて行くと決めてるんだ」
「……何か弱みでも握られたんですか?」
 真剣な表情で、問いかけてくる。
「そう、実は弱みを握られたんだ」
「お主何を人聞きの悪い」
 眉根を寄せたひめが抗議する。
「惚れた弱みっていう弱みでな、これがまた……」
「ぎゃあ!」
 耳元で叫ばれ、一瞬音が聞こえなくなる。
 何やらひめが続けてわめいている。揺れる尻尾、紅潮した頬。ちょっとクールになれ。
「ひめ、ひめ。聞こえない……お前は人間フラッシュボムか。音爆弾か」
 ハンターの味方か。そうかそうか。
「冗談だろ。そう怒るなよ」
「……ぁ、冗談じゃったのか」
 ようやっと声が聞こえるようになった。
「いつものちょっとしたお茶目だよ」
「ふん……わかっておったもん。あえて乗ってやっただけじゃ」
「ですよねー」
「なんじゃその反応! 本当じゃからな」
「ですよねー」
「ぐぬぬっ」
 悔しそうに唸る。
「さ、食い終わったなら行こうか」
 戯れを切り上げる。そろそろ時間もちょうどいい。
「……そうじゃな」
「お客様。本日はどちらへ?」
 条件反射的、といった感じで尋ねるさくらに
「天津」
 答えると、彼女は度肝を抜かれた、という顔をしていた。

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