異世界の歩き方「セリカ・シンドローム」2

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 パイナップル当社比二倍の酢豚弁当を食べ終わり、視線を上げると駅前広場の朝靄は晴れ、太陽もちゃんと顔を出していた。
 そして、人々が続々と集まっている。
 目の前には、太極拳をする百人以上の市民達がいた……何やら不思議な光景だった。初見の人間は何かの儀式かと思ってしまいそうだ。
「のう」
「ん?」
「あれは、何をしているんじゃろうな?」
 はいはい初見ね。
「太極拳だろ。いやこっちでもそう言うのかは知らんけどさ」
 ゆったりと、カンフー映画をスロー再生にでもしているような感じで彼らが動く。
 一人二人ならまあ良いのだが、こうまで大人数でやられると何か気味が悪く感じてしまうから不思議だ。
「ふーむ、この国は奇妙な風習があるのう」
「東洋の神秘がいっぱいだな」
「皆して朝っぱらから公園で体操とは」
「あれ、それラジオ体操じゃないか?」
「不思議でもなんでもない!?」
 ひめが驚愕する。いやあ、東洋の神秘だね。
「向こうの知識があってるなら、健康の為にだそうだ。あ、武術としても結構使えるぞ」
「ほう……ほう!?」
 見事なまでに二度見であった。
「またまたー、妾を騙そうとしてもそうはいかんぞ」
「いや、本当にさ。俺もかじったことがあるんだ」
 ゆったりとした動きだが、基本は武術なので素早く動かせば十分護身術などにもなる、ということで友人から勧められてちょくちょくそいつに教えてもらっていたのだ。健康の為に。
「ふむ。そこまで主張するのなら本当なのじゃろうな」
 ひめがしぶしぶといった面持ちで言う。
 確かに俺も最初は信じられなかったなあ、としみじみ思いだした。ええと、あの時は……
「ちょっとあれだ、ひめ」
「うむ?」
「ちょっと立ってみて」
「なんじゃなんじゃ。何ぞ始める気か?」
 ぱたぱた尻尾を振りながら立ったひめに
「ちょっと押すぞ」
 言いながら、軽く肩に手をのせる。
「ぬお!?」
 バランスを崩したひめの肩を抱きとめると、彼女は目を白黒させていた。
 彼女の髪のいい匂いがする。
「な、なんじゃ今のは?」
「うん。まあこんな感じで、実際使えるんだよ」
 力はほとんどかけていない。体重の軽いひめだが、彼女の方もまさかあの程度の力で自分がよろけるとは思わなかったらしい。
「お主はすごいな!」
「いやまあかじった程度だけどね、本当」
 オレサマオマエマルカジリというやつだ。
「見直したぞ!」
 それって二度見のこと?
「お前にも何かあったら俺が守ってやるからな」
「う、うむ頼むぞ」
 少しどもり、頬を紅潮させて「また自覚なくそういうことを言い出すっ……」などと彼女は呟いていたが、いや実際守ろうと思ってるんだよ。自覚してるよ。などと突っ込むとまたしても尻尾ではたかれそうなのでその件は見送る。

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