異世界の歩き方「沈黙の客船」6

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「おい、おいお主!」
 ひめが涙目で体をゆすっている。
 頭ががんがん痛み、吐きそうだった。
「いたた……なんだひめ、泣いてんのか?」
 泣き虫だな。
「第一声がそれか……生きておるな。良かった……」
「ひめがあんまり頭振るから脳みそシェイクされるかと思った」
 また、えづく。苦しい。なんだこれ。
 良かった良かったと言いながら抱きしめてくれているひめの頭に昼食をリバースするのはなんとなく空気が読めていない感があるので我慢する。
「おい! 無事……みたいだな」
「お、彩香……と木下さん」
「君! 動かないで!」
 木下医師が言う。
「動くなってよ。ひめ」
「君だからね!?」
 俺を指差しながら言う。俺か!?
「すぐ手当てするから!」
 手当、なんのこっちゃ、である。別に俺は大して怪我というような怪我も……ぱっと見たところ、見当たらない。脳みそもとってもクリアである。むしろひめの手が血濡れなのが気になる。血もしたたる良い女というやつだろうか。嫌だなさすがにいい女といえども。
「ひめ、その血……」
「ん、これか!?」
「なんかアニメ規制版っぽいよね」
 黒々としている。
「何言ってるか分からぬ! 帰ってこい! 帰ってくるのじゃ!」
 涙目である。ええー……ネタにマジレスかっこ悪いよ……
「よし君、頭を見せてごらん」
「はあ……」
 そこまで頭がおかしいと疑われるような発言をした覚えはないのだが。
 少し首を前傾させると、血が数滴ひめの髪の毛を汚した。
 ん?
 視界が少しずつ、また消えていく。
「よし、落ち着いて……」
 血の流れを辿ると、どうやらこれは頭頂部から流れているものらしかった。
 そういえば頭が濡れているような感覚がある。
「死ぬでない! 死んじゃいやじゃ……!」
「ひめ……」
 髪を触る。
 死なねえよ、と言おうとするが声に出ず、薄れていく意識の中「あれ、やっぱり死ぬんじゃね?」と思うのだった。

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