異世界の歩き方「でも麒麟さんはもっと好きです」8

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「大使館は駄目だ」
「うむ。駄目だ」
 頷き合う。駄目、絶対。
「となると国境越えだな」
「砂漠越えですか……」
 うへえ、という顔である。いやまあ、砂漠越えは確かに嫌だろうな。
「あなた。私を帝国まで連れて行ってください」
 腕に膨らみの感触。ふふり。
 表情が緩んだ俺を見て、ひめが声を荒げる。
「駄目じゃ! こやつは妾と行くのじゃ!」
「そうだな。しかし、花梨はどうするか」
「う、うむ」
 ひめが少々たじろいだ顔になる。どうした。
「即断……傷つきます」
「すまんちょっと何言ってるか分からん。で、俺に策ありなんだが」
「ほほう。聞こう!」
 うん。なんか今日のお前は偉そうだな? あれか。これが友人の前で良い恰好をする子供を見る親の気分か。
「確かユレイディアレイルの切符って、部屋単位だよな」
「……妾は嫌じゃぞ。こいつと同部屋なぞ」
「でしたら私はあなたと一緒に……」
 湿っぽい瞳が俺を捉える。
 何言ってんだこいつ、という目がひめから花梨へと注がれた。
「妾とそやつは同部屋ぞ」
「え」
 彼女が固まった。
「まあ、ひめ。彼女が捕まったら流石に寝ざめ悪いぜ」
「む……それは、そうじゃがー……」
 ひめの中で葛藤が沸き起こっているのを感じる。彩香たち、無事でいてくれると良いんだが。
「しかし、イミグレがあろう?」
「そこだよなー」
 この世界は出入国が緩いようだが、それでも駅に出国審査がないとは到底思えない。当然ながら花梨の持ち物にパスポートはない。八方ふさがりである。個人的には八方美人ふさがりを希望したいが、モテキ真っ最中と話題沸騰の俺でも現在二方美人ふさがりが関の山である。
「お前、実はすごく美少女だよな」
「な!? なんじゃいきなり!?」
 びしっ、尻尾が的確に腰を打った。
「いや、イミグレの話な」
「へ? は? うん?」
 当惑している。
 突然腕に鋭い痛みを感じ見れば、花梨が眉を吊り上げて腕に白魚の指を立てていた。
「花梨も美人だよね」
「で、でしょう?」
 ひめが半眼になった。怖い怖い。
 もしかして俺は火に油を注いでしまったのだろうか。中華の火力か。
「とりあえず駅に行けばいいんじゃないかな! かな!?」
 鉈女風に言ったところ、視線の戦いはひとまず沈静化した。怖い怖い。

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