番外編「稲荷と麒麟の二人旅」3

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 アルタイの町は、カーキ色の2階建て程度の高さがどこまでも続いていて、ところどころに塔のような建物がひょろひょろと生えている。町の中心は、小高い丘となり、その上に城塞が築かれている。天辺には、この国の国旗が誇らしげに掲げられていた。
 麒麟に手を引かれて、連れていかれたのは商業地区であるようで、周囲からは果物・揚げ物の香りが漂い、呼び込みの声が飛び交っている。
 すれ違うのは皆、馬の下半身を持つケンタウルス連中である。
 そして、麒麟とともに、彼女の見つくろった露店のチェアに腰を下ろす。
「お菓子を食べましょう!」
 どん! と効果音がつきそうな物言いである。
「……お主、何が狙いじゃ……?」
「あ、あなたがいつまでも暗くて鬱陶しかったから」
「おせっかいじゃのう」
「……可愛くないですね……」
 こいつ、うるさいな……と本気で思う。
 なんだって、麒麟と連れだって、彼もいないままこの町をウロウロしなくてはならないのか。なんだか悲しくなってきた。
「さあ、何を食べますか?」
 空気の読めない女である。
「妾は、別に……」
「お勧めは何ですか!?」
 店員に、彼女が聞く。お前本当にいい育ちのお嬢様かよ。と疑ってしまいそうになる状況だ。これが文化の違いというものなのか。
「おすすめ……ええと」
 そんな彼女にも、笑顔を絶やさず歩み寄り、メニューの中から指をさして示す。
「これや、これですね」
「では、それを二人分」
「はい」
 育ちの良さが感じられる状況だ。
「それじゃ、お菓子が来るまでお話をしましょう」
「嫌じゃ」
「にべもない!?」
 何故、敵である彼女と馴れ合わねばならないのか。まっぴらである。
「そんなことを言わずに、おしゃべりしましょう☆」
 ウィンクしながら、である。
「気持ち悪い」
「うぐぅ……」
「大体、どんな風の吹きまわしじゃ」
「それは、その……お互いを知る、というのが大事だと思うんです」
「ふむ。敵を知り己を知れば百戦危うからず、とはなるほど確かに、お主の国のことわざであったのう」
「そ、そういう意味じゃないです!」
 看破されて焦ったのか、慌てている。いや、そう隠さずとも……
「私達、同じ方向を見ているんですし、きっとわかりあえると思うんです。そのためにも、お互いをもっと知らなくては……」
「ふむ。なるほど一理ある」
「で、でしょう!?」
「だが断る」
 その時の彼女の表情は、そう、般若の面を白眼にして目を見張らせたような……端的に言えば、非常に面白い絵面だった。

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