番外編「稲荷と麒麟の二人旅」6

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 全力でお茶を濁せ! と念を送ったことが功を奏したか、占い師は当たり障りのないことを呟くにとどまり、結果麒麟は幾分不満を残したまま館を去ることとなった。ざまぁ!
「……うーん。やっぱり自分でなんとかしろ、ということなんでしょうかね……」
 いまだに、彼女はそんなことを呟いている。
「むしろ、無理だからあきらめろ、ということではないのか?」
「そ、そんなはずは……」
 そんな様子を眺めて一通り優越感に浸る。
「さて、そろそろ駅に戻らぬか?」
「え。折角ですからもう少し町を散策しましょうよ」
「……まあ、お主がどうしてもと言うなら……」
「じゃあ行きましょう! まだあなたから貰った一銭、使いきってませんしね」
 笑いながら財布を振る。
「ぬ。もしや、先ほどの会計は」
「ええ、二人分あらかじめ払っておきました」
「……ふん。律儀じゃな」

 数時間に及ぶ市内散策の後、すっかり棒のようになった脚を引きずって駅へ帰り着いた。
 もぐもぐむしゃむしゃと、町中の名物を食い荒らし、すっかりおなかも膨れている。
 彼がいなかったからこそできたことと言えるかも知れなかった。
 彼がいなくなったからこその自棄食いとも言えそうである。
 どちらにせよ、体重計が怖い。
 饅頭怖い的な意味ではなく。
「……お、あれはなんじゃろうな?」
「んー? 掲示板ですね」
 びっしりとメモ用紙のようなものが貼り付けられている。
 近づいてみれば、そこには政府や駅からの広報だけではなく、仕事の依頼、民間の宣伝、旅の仲間との連絡用と思しき書き込み――グラスよりジョルゾへ、ルイーダ旅館で待つ――などなど、眺めているだけで数時間はつぶせそうなくらいだ。
「ふむ、面白いの……そうじゃ。奴へ書置きでも残していくか」
「ああ、それはいいですね? 彼女もやったみたいですし」
「は?」
 指さす方を見れば、
「ああー……随分とまた」
 びっしりと書き込まれた、他の二倍の大きさはあろうかという連絡用紙が貼られている。しかも、金箔で帝国政府紋章が捺されている高級紙に、だ。
 案の定、右下には大きな文字のブロック体で、ヘレン・エルノリクと刻まれていた。
「さて、妾達はほどほどに書こうかのう」
「あれじゃあ読むのにも半時間はかかりそうですしね」
 麒麟がくすくすと笑う。
 ご丁寧に用意されたテーブルに、これまた備え付けのメモ用紙を広げ、ペンを握った。

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